
歯科技工メーカーの三和デンタル(東京都大田区)はこのほど、同社のタイ事業所である三和デンタルタイランド(タイ・バンコク)が新たに開始するチタン製入れ歯フレームの受注に向け、チュラロンコン大(バンコク)での臨床テストを開始した。
歯科技工のデジタル技術の活用を進めるタイ事業所は、チュラロンコン大のViritpon Srimaneepong教授から臨床でのテストケース作成依頼を受け、すでにいくつかの症例を納品した。
三和デンタルは昨年、現在、アレルギー反応が少なく、丈夫で軽いなどの長所がある「チタン床」と呼ばれる入れ歯のフレームを金属3Dプリンター(金属積層造形機)による製作をスタートした。今回の臨床テストで、チタン床入れ歯の軽さや薄さだけではなく、ほかの金属床と比較して熱の感じやすさ、食べ物の味の分かりやすさなどの製品評価を期待しているという。
タイ事業所は、日本から専門の技術者も派遣し、現地スタッフに設計やチタンフレームの研磨などの技術指導も行う。今後は製品受注や日本・タイの歯科従事者の設計思想、設計技術向上のサポート体制を強化したいとしている。