
一般社団法人近畿建設協会(大阪市)と一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC ・東京都中央区)は、京都が抱える道路渋滞や歩行環境の悪化などの問題を考える「『歩くまち・京都』に向けた駐車マネジメントシンポジウム」を京都テルサ(京都市)で12月7日に、開催した。(後援:国土交通省近畿地方整備局と京都市)
京都市は、「歩くまち・京都」を掲げ、観光客には公共交通の利用や、乗ってきた自動車は近郊の鉄道駅そばの駐車場に止め、鉄道と自分の足で観光スポットに向かうパークアンドライドによる緩和策を推している。
シンポジウムは、年々悪化している京都市の交通渋滞の課題解決に向けて議論するため、産学官と一般の参加者の約260人が参加した。
冒頭のあいさつで、中村英夫JAPIC副会長は「渋滞や交通問題から自由になることが、京都経済を力強いものにする」という認識を示した。
続いて登壇した来賓の門川大作・京都市長は、「新たな概念を取り入れた取り組みも必要であり、民間の提案や投資を促すためにも産学公連携して新たなまちづくりを推進していきたい」と強調した。
山田忠史・京都大学経営管理大学院教授の基調講演では、「これからの駐車マネジメント」と題して、駐車マネジメントの必要性を各コンテンツの問題点や事例なども踏まえた講演が行われた。
さらに、JAPICの国土・未来プロジェクト研究会委員である杉原克郎エスシー・マシーナリ社長の講演では、「『歩くまち・京都』のための自動車流入抑制と連携した駐車マネジメント」についての提言が行われた。
パネルディスカッションでは、コーディネーターは山田忠史教授、パネラーは、岩本雅也(国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所長)、梅澤優司(京都市都市計画局歩くまち京都推進室長)、濱﨑麻智(公益社団法人京都市観光協会担当部長)、浦尾たか子(京南倉庫株式会社常務)、白水靖郎(JAPIC国土・未来プロジェクト研究会委員/中央復建コンサルタンツ常務)らの6人で行われ、「歩くまち・京都」に向けた駐車マネジメントについて、次世代交通サービスの拡張型MaaS(マース)や、利用者目線での検討の必要性などについて意見を交わしたという。
閉会のあいさつで、近畿建設協会の谷本光司理事長は「京都のまちが魅力的になることは、関西を、そして日本を元気にすることになる」と指摘した。