(山梨県昭和町 ホテル昭和、2018年5月撮影)

【コラム:おんせん! オンセン! 温泉!】ホテル昭和

  山梨県の甲府市周辺エリアは、良質な温泉が数多く湧いている知る人ぞ知る温泉地です。温泉を有する銭湯やビジネスホテル、旅館などが密集し、そのほとんどが「日帰り入浴」を受け付けています。そして「源泉掛け流し率」が高いのもうれしいところ。都内から片道90分ほどと、アクセスも良好で、気軽に湯めぐりが楽しめます。

 そんな甲府市周辺エリアの中で屈指の良泉と評判なのが「ホテル昭和」。エリア内に日帰り入浴可のビジネスホテルや旅館が多い中、「ホテル昭和」の温泉は宿泊者限定のため、日帰りのお客さんを気にせず、心ゆくまでゆったりと温泉を楽しむことができます。

昭和町に建つ昭和なビシネスホテル「ホテル昭和」

 山梨県を真っ二つに横切る国道20号沿い。商業施設やビジネスホテル、有名レストランチェーンの店舗など、大型で目立つ施設が国道の両側に立ち並ぶ中、「ホテル昭和」も負けず劣らず、堂々と構えています。中央高速道の「甲府昭和インター」からわずか1分という好立地。白を基調とする3階建ての建物は、余計な装飾のないシンプルなデザイン。どことなく昭和の香りが漂い、レトロな雰囲気がそそられます。観光地的な要素が少ないビジネスホテルの特性と場所柄か、仕事の出張で使用する方や、工事関係者の長期滞在などの方々の利用が多いのだそうです。

レトロな雰囲気の大浴場

 ホテルに大浴場は1カ所しかないため、時間帯で男女を入れ替えています。男性客が多いため、男性用の時間帯が長く設定されています。

 浴室は内湯のみですが、天井も高く広々と開放的なつくりです。白のタイルがどこかレトロで、外観同様、昭和の風情を感じます。また、浴槽の種類は豊富で、加温掛け流しの大浴槽、完全掛け流しの小浴槽、サウナ、水風呂に加え、他ではあまり見たことのない「冷凍室」なるものまで完備されています。

小浴槽の湯口。勢いよく源泉が注がれます

 浴室の扉を開けた瞬間から感じる、モールと金気の香りに高揚しつつ、湯浴みを開始。シャワー、カランにまで源泉を使用しているレベルの高さは甲府でも指折りです。

 その中でもインパクトが強烈だったのが小浴槽。加温・加水のない100%完全掛け流しの「源泉」がドバドバ注がれ、捨てるようにお湯があふれている圧巻の光景でした。

広々とした大浴槽

 泉質は、単純温泉。源泉の個性がはっきりしていますが、泉質上は単純温泉です。飲むと、薄甘ダシ味に薄塩玉子味、フルーティーで爽快です。宿泊者限定のためか、どの時間帯でも混み合うこともなく、じっくり源泉と対峙(たいじ)することができます。

 湯口からは、はっきり金気とモール、硫黄の香りを感じ、漬かるとツルツルスベスベの肌触りが気持ちいい。そして一瞬で細かい泡に包まれ、体中真っ白。鮮度抜群の極上モール泉に、心も体もノックアウトされました。

プラス380円で「特A米」の朝定食が絶品

 素泊まりでもパンとドリンクの無料朝食が付きますが、せっかく泊まるならプラス380円で食べられる朝定食がおすすめです。

 ご飯、みそ汁、シャケ、納豆、玉子、のり、小鉢、漬物のシンプルで定番の「和定食」ですが、このラインナップは間違いなし。そして、ご飯は地元山梨県産で、「幻の特A米」といわれる「武川米(むかわまい)」を使用。プラス380円で、ちょっとリッチな気分と、おいしいご飯を味わえます。

レトロ感漂う受付ロビー

 観光地感は薄いですが、甲府屈指の良質な源泉を堪能できる「ホテル昭和」。市街地を通る国道沿いの立地とビジネスホテルの特性上、男性客が多いですが、充実したアメニティーと、清潔な館内は女性でも安心して利用できます。素泊まりで3000円台から、という料金設定も良心的です。観光地で過ごす温泉とは趣の異なる「乙」な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

【ホテル昭和】

住所 山梨県中巨摩郡昭和町西条3682-1

電話番号 055-226-1521

URL  http://hotel-showa.co.jp/

【泉質】

単純温泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)/泉温45.1度/pH:7.6/湧出状況:自噴/湧出量:毎分165.8リットル/加水:なし/加温:なし/循環:なし/消毒:なし ◆完全掛け流し

【筆者略歴】

小松 歩(こまつ あゆむ) 東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床での車中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は2000以上。好きな温泉は草津温泉、古遠部温泉(青森県)。

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