家畜寄生虫の幼虫を野外初検出 感染経路の解明に光、岐阜大

岐阜大学 「ニホンジカから得られた槍形吸虫の成虫(スケール:1mm)」

 

 岐阜大(岐阜市)はこのほど、同大准教授らの参加する研究グループが、国内の感染経路が不明だった家畜の寄生虫「槍形吸虫」の幼虫を日本で初めて野外で発見した、と発表した。これまで不明だった感染経路の解明に役立つ成果だとしている。

 槍形吸虫は牛などの家畜の寄生虫。「ヤマボタルガイ」というカタツムリの仲間からアリを経由して家畜に感染すると一般的には考えられているが、ヤマボタルガイやアリから見つかった例はなく、ヤマボタルガイのほとんどいない地域でもニホンジカなどの野生動物への感染が確認されていることから、実際の感染経路は不明だという。

 ヤマボタルガイ以外の感染経路の可能性を探るため、研究グループは、ヤマボタルガイがほとんどいない岐阜県で14種269個体のさまざまなカタツムリを採集。体内に槍形吸虫の幼虫がいるかどうかを調べた。その結果、「オオケマイマイ」というカタツムリの体内に槍形吸虫の幼虫がいることを発見した。これまで注目されてこなかったオオケマイマイの感染源としての可能性が確認されたことは、家畜の槍形吸虫対策を進める上で「重要な知見」になる可能性がある。

 研究グループには、岐阜大学の高島康弘、森部絢嗣の両准教授、松尾加代子・客員獣医学系教授(熊本県阿蘇保健所)らのほか、東邦大の脇司講師や北海道大の尾針由真・博士研究員、岡山理科大の林慶・助教が参加。槍形吸虫の感染経路の完全解明には、野外のオオケマイマイの体内で成熟した槍形数虫の幼虫が、アリを経由してウシなどの家畜に感染しうることを証明することが待たれる。脇講師は「オオケマイマイは中部のいろいろな場所に生息する。今後、このカタツムリから完全に成熟した幼虫が確認されれば、オオケマイマイが主な感染源と言えるようになるのでは。今後も調査を続けたい」とコメントしている。

 

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