ベンチャー企業アクチュアライズが中国企業とライセンス契約 同志社大の研究、角膜移植に代わる再生医療に使用

アクチュアライズ 「AE101」

 

 同志社大(京都市)は、同大学の研究を基に設立したバイオベンチャーであるアクチュアライズ(京都府京田辺市)が、再生医療で使用される自社開発製品「AE101」について、中国を拠点とするバイオベンチャー、Arctic Vision(上海)とライセンス契約を結んだ、と発表した。

 「AE101」は培養角膜内皮細胞移植製品で、重症の視力障がいを生じる水疱性角膜症に対し、生体外で培養して増やした高品質な角膜内皮細胞を注射で眼内に移植する再生医療だ。アクチュアライズは、臨床開発段階の眼科領域の技術開発・製品化を行うArctic Visionへの特許権の実施許諾と技術提供を行うライセンス契約を今年5月に締結。総額は3500万ドル(約38億円)以上になるとしている。

 同志社大によると、角膜移植は世界で年間約20万人の患者に対して行われている最も数の多い移植医療だが、一方で臓器提供のドナーが不足しているため、移植を必要とする患者のうち70人に1人程度しか手術を受けることができないという。中国でもドナーが不足しているため、今回のライセンス契約によって、中国国内でアクチュアライズとArctic Visionが共同で、新しい治療に必要な培養角膜内皮細胞移植製品の早期製品化を目指すとしている。

 同志社大生命医科学部の小泉範子教授、奥村直毅教授を中心に角膜移植手術に代わる新しい治療法の研究を進め、従来は培養することが難しいとされてきた角膜内皮細胞の培養法と、注射による細胞移植の技術を発見。2013年から行われた臨床研究によって、培養角膜内皮細胞移植により、濁った角膜を透明に治療することが可能で、劇的に視力が回復できることを確認したという。

 こうした研究を受け、大学は2018年5月にアクチュアライズを設立。角膜内皮再生医療に関する製品や、角膜内皮障がいに対する低分子化合物の点眼薬の開発を行っている。同志社大は「今回のライセンス契約は、日本をはじめ全世界での角膜内皮再生医療の実用化に向けて大きな一歩となる」としている。

 

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