eICUの仕組み

コロナ集中治療もリモートで支援 フィリップスが国内販売開始

 フィリップス・ジャパン(東京都港区)は、集中治療室(ICU)の患者の容態を遠隔で監視し、現場の医療スタッフにアドバイスするなどの支援を可能にした遠隔集中治療ソリューション「eICUプログラム」の国内販売を開始した、と発表した。新型コロナウイルス感染症や脳卒中、心筋梗塞、事故などで重篤となった患者に、安全、安心な医療を提供するだけでなく、医療スタッフの人員不足や医療格差の解消につながるシステムとして注目される。

カメラやモニター、モバイルカートが設置されたeICU病室

 

 海外では550の医療施設が導入し、死亡率低下、在室日数短縮、集中治療費用の削減、転院患者の削減などが確認されているという。国内では2018年から昭和大の本院(東京都品川区)と江東豊洲病院(東京都江東区)が初めて導入して有効性に関する実証研究を進め、7月に薬事承認を得た。

 

支援センター(イメージ、写真左)、患者情報を表示する支援センターのモニター(写真右)

 

 集中治療室にカメラ、スピーカーフォン、モニター、モバイルカートなどを設置し、呼び出しボタンを押すと集中治療専門医1人、専門・認定看護師1~3人、医療事務作業補助者1人が待機する支援センターに、双方向通信でつながる。支援センターの6~8画面のモニターには、集中治療室内の映像や、電子カルテ、生体情報モニターなどから収集された患者のデータをリアルタイムで表示。処置の状況や患者の状態変化を早期検出するほか、退室後48時間以内の死亡リスクも予測する機能もあり、集中治療室のスタッフは支援センターの支援を受けながら連携して最適な医療に当たる仕組みだ。

 

小谷透教授

 オンライン発表会に同席した昭和大医学部集中治療医学講座の小谷透教授は「2病院の50を超すベッドを効率的にモニタリングでき、どの患者にどれだけ治療を強化するか、あるいは次の患者にシフトするか、判断の助けになる。患者のすべての情報を1画面に集約できるのが最大の強み。新型コロナの拡大でICUは一時逼迫(ひっぱく)したが、このシステムが役立った」と有用性を語り「将来は藤が丘病院(横浜市)、横浜市北部病院(同)もつなぎ、100床を超すユニットを統合して支援したい」とした。

 

堤浩幸社長

 また堤浩幸社長は「集中治療の現場は、重篤患者の増加、医療従事者の不足、医療の質の格差、新型ウイルス感染拡大への不安など、多くの課題への改善が求められている。遠隔支援プラットフォームは医療従事者にも患者にも大きなプラスになる」と述べた。

 

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