日本棋院会館

異色の棋士が6度目の挑戦で念願の初タイトル 「新聞記者」の顔を持つ一力新碁聖

 史上最年少で初タイトルを獲得した藤井聡太棋聖(18)の快挙に沸く将棋界。大きな関心を集めた棋聖獲得からおよそ1カ月後、囲碁界でも初タイトルを獲得した若き棋士がスポットライトを浴びた。8月14日に碁聖を奪取した一力遼(いちりき・りょう)新碁聖(23)だ。「新聞記者」の顔も持つ異色の棋士で、今後の活躍が期待されている。

一力新碁聖(写真は日本棋院提供)

 

 一力新碁聖は5歳のころ囲碁を始め、13歳でプロ入り。2014年に若手の国際棋戦で優勝するなど七大タイトルの獲得も早くから視野に入っていたが、タイトル戦に5度失敗。しばらく足踏み状態が続いていた。6度目の挑戦での初タイトル獲得に、囲碁界では「今後は(タイトル獲得の)プレッシャーから解放され、勢いに乗るのではないか」との見方が広がる。一力新碁聖は「タイトルホルダーという立場になったので、これまで以上に真摯(しんし)に取り組んでいきたい」と気持ちを新たにしている。

 将棋界は、現在王位戦3連勝の藤井棋聖が8月19、20両日の第4局で勝利すれば二冠達成となり、二冠の最年少記録も更新、将棋ファンを楽しませる藤井棋聖の快進撃が続いている。一方、囲碁界も、井山裕太三冠(31)を追う若手棋士群「令和三羽ガラス」の1人、一力新碁聖の今後の「二冠達成」に囲碁ファンの期待は高まるだろう。

 大学に進学しない意向を示している藤井棋聖と異なり、一力新碁聖は早稲田大に進学し、学業とプロ活動を両立させてきた。今年卒業し、4月から河北新報社の記者となった。試合の休止など新型コロナウイルスの影響を受けた囲碁界の様子を“内側”から伝えるトップ棋士ならではの記事を発信している。

対戦の様子(写真は日本棋院提供)

 

 初タイトル獲得後は対局時とは異なる若者らしい満面の笑みを見せた藤井棋聖と一力新碁聖。順当に初タイトルを手にした藤井棋聖に対し、5度足踏みした一力新碁聖。異なる世界の「棋士道」で“金字塔”を打ち立てることを期待される2人の今後の歩みから、将棋・囲碁ファンならずとも当分目が離せそうにない。

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