アフター・新型コロナ~日本産業の構造変化と成長市場~

アフターコロナに日本はどう変わるのか 矢野経済研究所がセミナー「日本産業の構造変化と成長市場」

 危機の時代、環境の変化に対応できない企業に未来はないと言われる。では、どうやって変化に対応していけばいいのか。その第一歩は情報を収集することから始まる。アフターコロナで日本経済はどう変わっていくのか――さまざまな企業の動向からそれを知ることができるとしたら、利用しない手はないだろう。

 共同通信グループで市場調査を手掛ける矢野経済研究所(東京)は、7月30日(木)に、新型コロナウイルスをめぐる緊急調査を受けたウェブセミナー「アフター・新型コロナ~日本産業の構造変化と成長市場~」を開催する。

 矢野経済研究所は、新型コロナの感染拡大に伴う、政府の緊急事態宣言が出されていた4月22日から5月18日まで、大手・中堅企業の経営者らを対象にインターネットで緊急調査を実施した。

 建設業、製造業、IT企業などの役員、ビジネスパーソンら810人が回答。矢野経済研究所は、調査結果を専門研究員が分析し、7月10日に緊急レポート(A4判、196ページ)を発刊した。書籍(15万円、税別)のほか、PDF版などもある。

 今回のセミナーは、午後2時から3時までビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い実施する。緊急レポートを基に、矢野経済研究所の水越孝社長が「新型コロナがもたらした危機とポストコロナの未来の形」と題して基調講演するほか、専門研究員が「ウィズコロナ時代の消費行動」や「産業別アフターコロナの成長市場と事業機会」について詳しく解説する。

 定員は先着1,000人。参加費は一般が1人1万円(税別)、ヤノデータバンク(YDB)会員や、株式会社共同通信社の講演会組織「きさらぎ会」の会員はいずれも7,000円(同)。緊急レポートを購入した場合、1人が無料で参加できる。申し込みは同社ホームページから。

4社に1社が「売り上げ6割達成困難」

 緊急調査結果は「新型コロナウイルス収束後の日本経済と成長市場」と題し、6月2日に公表した。

 それによると「新型コロナの収束時期と通期業績への影響」について、通期の売り上げ予想は、①6月末までに収束すれば8%減にとどまる②7-9月期になると17%減③10-12月期まで長期化した場合は27%減――との回答が寄せられた。③の中には通期売り上げが「59~50%になる」「50%以下」(合わせて23.4%)との回答もあり、約4社に1社が「6割達成も困難」になる見通しであることが明らかになった。6月末までの収束はかなわず、7-9月期も難しい状況で、影響の長期化が避けられない見通しになっている。

 業種別では自動車を含む輸送機械、生活関連サービス・娯楽、宿泊・飲食、アパレルなど繊維関連へのダメージが大きいことが分かった。業績低迷の要因としては、外出自粛などに伴う需要喪失や、内外取引先からの受注減が挙げられた。レポートでは「周辺サービスなども含めると、間接的な影響は極めて広範に及ぶ」と指摘している。

「後戻りはない」

 アフターコロナに関しては、回答したビジネスパーソンの85%が「新型コロナを契機とした変化は一過性のものではなく、後戻りはない」と考えていた。ではどう変わるのか?

 産業分野では「人工知能(AI)、ロボットの活用、生活インフラのIT化といった産業の新陳代謝が一気に進む」との声が多かった。社会・生活価値観については「人口集中から分散へ」「節約志向・安定志向が強化される」といった社会の変容を予想。一方、「社会の分断は避けられない」などと厳しい見方もあった。

 発刊したレポートでは、矢野経済研究所の専門研究員が業種別に「課題と未来」を考察した。宿泊業界については「早期の回復が期待されるが、備品類の中国依存が懸念点」、住宅・建設業界は「量から質へ。市場の変化に合わせた速やかな戦略転換が必要になる」といった、20以上の産業分野について分析している。

 回答したビジネスパーソンの声も併せて掲載され、「居住地・居住形態の選択肢が拡大する(住宅)」「AI化のブームにとらわれない本質的な改善をすべきだ(機械)」といった、コロナ禍で事業展開する各業界の現場の課題がよく分かるという。

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