次亜塩素酸水を使ったウイルス対策の注意事項

使うなら「ヒタヒタ、流水20秒」 次亜塩素酸水、空間噴霧は推奨せず

 新型コロナウイルスの消毒液代わりに使われている次亜塩素酸水について、経済産業省などは626日、あらかじめ汚れを落とした物品に対し、一定以上の濃度を十分な量使った場合は効果があると発表した。十分な量とは、拭き掃除では「表面ヒタヒタで20秒以上」、掛け流しなら「20秒以上」。次亜塩素酸水は入手しにくかったアルコールの代用品として注目されたが、「アルコールのように少量をかけるだけでは効きません」とし、皮膚への付着や人のいる空間での噴霧は推奨できないとしている。

 ★少量では効かず

 発表などによると、拭き掃除では①有効塩素濃度80ppm(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどの粉末を水に溶かして使う場合は100ppm)以上のものを使う②十分な量で表面をヒタヒタにぬらす③20秒以上おいてきれいな布やペーパーで拭き取る-のが注意事項。次亜塩素酸水の流水による掛け流しでは①有効塩素濃度35ppm以上のものを使う②20秒以上掛け流す③表面に残らないようきれいな布やペーパーで拭き取る-がポイントという。拭き掃除も掛け流しも「目に見える汚れはしっかり落としておく」「少量をかけるだけでは効かない」としている。

 「ヒタヒタ」とはどんな状態を指すのか。料理では鍋の中で食材が水から少しだけ出ている状態。次亜塩素酸水をテーブルに使う場合は、テーブル表面をすっかり覆っているほどのことで、水滴が付着している程度では足りないという。「ヒタヒタ20秒」が難しい壁やドア、畳、じゅうたんなどは別の除菌法にした方が良さそう。また流水20秒は、その場で次亜塩素酸水を豊富に作れる専用機器なら可能で、食器や野菜の洗浄などに使えるが、ボトル入り製品なら何本も必要になりそうだ。衣類については「次亜塩素酸水にはアルコールのような揮発性はないので、そもそも濡らしたくないものには不向き」(経産省)と言う。

 ★浮遊ウイルスには換気有効

 今回の検証は、経産省の要請により、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が国立感染症研究所などの協力で行った。手指などへの影響や、空間噴霧の有効性・安全性は評価の対象外。しかし、厚生労働省、経産省、消費者庁の特設HP(626日更新)では「人が吸入しないように注意してください」「国際的な知見に基づき、厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません」とした上で「浮遊ウイルス対策には換気が有効」としている。

 この「空間噴霧」について、次亜塩素酸水の製造業者や販売業者向け文書では「加湿器などで広く空間に向けて噴霧するものを指し、スプレーで手元に吹きかけるような動作は含まない」「電機メーカーなどが製造する、次亜塩素酸を含む溶液を一種の『フィルター』として用いる空気清浄装置(いわゆる「通風」型の機器)は空間噴霧とは異なる」との見解を記載している。

 ★法令違反疑いの製品も

 次亜塩素酸水は①塩酸や食塩水を電気分解する②二つの溶液を混合する③水に粉末や錠剤を加える④イオン交換法-など製法はさまざまで、食品添加物(殺菌料)や特定農薬に指定されているものなどもある。しかし、市販されている製品には製法や原料を明記していないものが多く、手指・人体への効果をうたう製品は薬機法違反の可能性もあるという。

 このため経産省などは、次亜塩素酸水を購入するときは、製品の使用方法や有効塩素濃度、酸性度、使用期限の表示を確認することが重要だと指摘。ほかに、遮光性の容器に入れ冷暗所で保管する、塩素系漂白剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムとは別物なので混同しない、家庭で自作すると塩素が発生する可能性があり危険、と使用上の注意事項を挙げている。

 新型コロナウイルスの消毒・除菌については、3省庁が特設ページにせっけんやアルコール消毒液、手指用以外の界面活性剤(洗剤)などを使った方法などを詳しく紹介している。

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