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新型コロナで入院15%減 急性期病院、経営に影響

 重症患者や急性疾患の患者を診療する「急性期病院」では、新型コロナウイルスの影響により4月の入院件数が前年同期比で15.4%減ったとする調査結果を、病院経営コンサルティングのグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC、東京都新宿区)が発表した。コロナ患者以外の受け入れ抑制といった病院側の事情に加え、感染予防で衛生面が向上したり患者が受診を控えたりしたのが要因と見られる。急性期病院の多くは入院医療7割、外来診療3割の収益構造になっており、経営への悪影響は避けられない見通しだ。

 GHCは、包括支払い方式で入院医療費を請求するDPC制度の対象病院(2019年4月現在で1730病院)のうち、3月分は272病院、4月分は242病院のデータを分析した。ほとんどが急性期病院に当たる。入院件数は前年同期比で、3月は4.0%減、4月は15.4%減だった。病院規模別では、200~299床が19.1%減と最も影響を受けた。また、緊急性のない「予定入院」が12.0%減だったのに対し、救急車などで搬送される「緊急入院」は19.0%減に上った。

病院規模別の入院減少率

 

 入院が減った理由として、GHCは病院側、患者側双方の要因を挙げている。病院側については

①コロナ患者に医療資源を集中するため他の患者の受け入れを抑制した

②白内障や心臓カテーテル検査など待てる手術、検査を延期した

③投薬の処方期間を拡大した(例えば2週間から1カ月へ)

 -などが考えられるとする。

 ただ、コロナ患者を受け入れていない病院でも入院は減っており、患者側の

①コロナ対策で衛生面が向上しウイルス性腸炎や気管支炎などの感染症予防につながった

②休校により子ども同士の感染症罹患(りかん)が減った

③受診行動が変化し、コロナ感染を恐れ病院に行くのを減らしたり、タクシー代わりの救急要請が減ったりした

 -などの要因を指摘している。患者側に関しては、4月の疾患別緊急入院で、急性期気管支炎・急性細気管支炎・下気道感染症が前年同期比78.0%減、ウイルス性疾患が同73.0%減と、比較的軽症の症例が大幅に減ったことでも裏付けられている。

疾患別の入院増減率

 

 GHCの渡辺幸子社長は「生活習慣となって身についた衛生行動の変化や受診行動の適正化は望ましい姿であり、ポストコロナとなっても患者減の要因として続くと考えられる。不要不急の外出自粛を経て、高血圧、高脂血症、糖尿病など慢性疾患患者の外来受診間隔が広がっている。アフターコロナでもこれら患者のクリニック受診頻度が元に戻る事はないと予測される。オンライン診療も患者側が継続を強く望むのではないか。患者視点からの医療提供体制は大きく変わりそうだ。ただ、必要な受診まで控えてしまっては問題なので、5月以降のデータの分析も進めたい」と話している。

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