アイ・ピース、臨床用iPS細胞の作製サービスを開始 ファナックと量産技術を開発、再生医療の実用化に期待

アイ・ピース 臨床用iPS細胞の作製サービスを開始

 

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製するI peace(アイ・ピース、米カリフォルニア州)の日本法人アイ・ピース(京都市)は、京都市にある細胞製造拠点での特定細胞加工物製造許可を厚生労働省から取得し、臨床用iPS細胞の作製サービスを開始した、と発表した。これまで研究用iPS細胞の提供は行っていたものの、今回の製造許可を得て、臨床用iPS細胞を作製、製薬会社や研究所などからの受注を始めた。

 アイ・ピースは、工作機械大手ファナック(山梨県忍野村)と共同開発した自動量産技術を使い、数年以内に年間数千株の臨床用iPS細胞を量産できる態勢の構築を目指すとしている。

 iPS細胞は、血液や皮膚などの細胞に人工的に遺伝子を入れるなどして、さまざまな細胞に変化できる能力を持たせた細胞だ。京都大の山中伸弥教授の研究が2012年にノーベル医学生理学賞を受賞、「夢の医療」といわれる再生医療の実用化が期待されている。

 アイ・ピースは山中研究室出身の田邊剛士氏が創始者となり2015年に創立。京都市の製造施設がこのほど「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に定められた基準に適合し、高品質で安全なiPS細胞を製造できる施設だ、と認められた。

 アイ・ピースによると、現在、国内外でiPS細胞由来の細胞を用いてさまざまな臨床研究が行われている一方で、実際の細胞移植医療の原材料となる臨床用iPS細胞は、世界でも限られた施設でしか作製できていないという。その理由は、iPS細胞の作製にはクリーンルームを長期間使用し、人の手による作業をするため、効率化の問題やコストが膨大になるといった課題があった。

 ファナックと共同開発した自動量産技術は、一つの部屋で多種のiPS細胞を同時並行で量産することができるという。アイ・ピースは「1種類のiPS細胞株を量産するのではなく、多種の細胞株を量産することで、最も目的の細胞に適したものを選んで使用することができる」と説明している。

 

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