
大阪市生野区のデイサービス施設「コサージュ」は、パン作りを機能訓練に生かす取り組みをしている。
パン作りはさまざまな情報を瞬時に判断しながら行う作業であることから、認知症の高齢者ら利用者が取り組む「機能訓練」上の工夫の一つとして取り入れた。パン作りを通して利用者の意欲の活性化・活動量の確保など、介護度悪化の予防や健康的な生活の維持に役立てたい、としている。
作るパンは18種類の中から好みのものを選ぶ。この選択やパン生地を作る際に食材の分量をはかる手順を体験してもらうことで、脳の活性化を促す狙いだ。生地を丸めたり伸ばしたりすることは五感を刺激する効果が期待でき、完成したパンは、料理することから遠ざかっている高齢者らに「達成感」をもたらしてくれる。さまざまな判断、動作が要求されるパン作りに取り組むことで、新しいことに挑戦する意欲を引き出したい、としている。
コサージュは「(パン作りへの)チャレンジを支援し、利用者の健康寿命をのばしていきたい」と話す。