パース市街を一望できるキングスパークからの絶景

「世界一住みたい街」豪パースの魅力(上) 【都市編】ANA直行便で自然豊かな都市が身近に

 さまざまな雑誌や旅行サイトで「世界一美しい街」のランキングが紹介されている。「美しさ」の定義は人によって違うものの、欧州ならチェコのプラハやオーストリア・ウィーン、北米なら米サンフランシスコやカナダ・バンクーバーあたりが定番だろうか。オーストラリアもシドニー、メルボルン、アデレードなどが必ずランクインする。しかし、旅行ジャーナリストで世界約150カ国を訪問した兼高かおるさん(2019年1月、90歳で死去)が「住むんだったら」と挙げたのが西オーストラリア州「パース」だ。

パースの街を包み込むように流れるスワン川

 

 パースは西オーストラリア州の州都。オーストラリアで第4の都市だが、多くの日本人はシドニーやケアンズ、ブリスベン、ゴールドコーストといった東海岸沿いの都市を訪ねる。パースは西海岸沿いで日本からの直行便がなく、オーストラリア国内で乗り継ぐか、アジアの都市経由で行くしかなかった。

▽ANAが直行便

 

 

羽田~シドニーに加え、成田~パースがデビュー

 そんな中、ANAは、日本(成田)~パース直行便を2019年9月1日に就航した。毎日往復1便あり、12月時点のダイヤは、成田発11:20、約10時間で20:30にパースに着く(時差マイナス1時間)。パースからは21:55発で、成田へは翌朝8:30に到着する。

ビジネスクラスのシート
機内食(イメージ)

 

 使用機材はボーイング787-8。ビジネスクラス32席、プレミアムエコノミーを含むエコノミークラスが152席の計184席ある。ANAによると、日本からは観光客のほか、鉱物資源・天然資源が豊富な西オーストラリアに渡航する商社関係者らビジネス需要も見込めるという。北海道へのスキーなどオーストラリアからの訪日需要も期待でき、すべり出しとしては予約状況も好調だという。

 南半球のオーストラリアは、日本と季節が反対のため、日本の冬場に夏のリゾートを楽しめるのも魅力だ。日本に強い寒波が訪れた12月上旬、“世界一住みたい街”を訪ねた。

▽日本の冬に暖かい南半球へ

パースは晴れの日が多い

 

港を再開発したエリザベス・キー地区

 

 ANA直行便が就航したことで、新たな観光ツアーが組まれている。成田空港で搭乗を待っていた友人同士の女性2人は「昨年はメルボルンに行ったけど、直行便ができたので今回はパースのツアーに参加した。食事やショッピングが楽しみです」と笑顔で語った。東京都在住の会社員(33)夫婦は、2度目のパースだと言い「直行便ができたので、現地が暖かいこの時期にまた計画した。パースの魅力は街がきれいなことだ」と話し、直行便効果が大きいことを感じさせた。

自然と都市がマッチングしているパース

▽新旧が融合

 西オーストラリア州は、オーストラリアの約3分の1を占める雄大な地域。穏やかな気候や、自然の美しさ、天然資源の豊富さなどさまざまな顔を持つ。人口約261万人のうち、州都パース近郊に約200万人が住む。

中世のイギリスを感じさせるアーケード「ロンドン・コート」

 

 落ち着いたパースの街並みは、英国調の建物に近代的ビルが調和し、湖のように静かなスワン川が包み込むように流れる。街を見下ろす小高い丘に、米ニューヨークのセントラルパークより大きな公園「キングスパーク」があり、市民の憩いの場となっている。キングスパークは市街地から車で5分程度の距離で、無料バスも走っている。夕方には緑の中をジョギングする市民があちこちに現れる。

キングスパークではジョギングする人が多い

▽セグウェイツアーも

 パースはコンパクトで、歩いて市内観光ができるほか、4つのルートがある無料バスを駆使すれば効率的に回れる。ユニークなのが立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」のツアーだ。フェリー乗り場やレストラン、ホテルなどが並ぶエリザベス・キー地区の案内所で、簡単な研修を受ければ、セグウェイで市街地からキングスパークまで心地よい風を受けながら巡ることができる。晴れの日が多く、歩道に人が少ないパースだからこそできるシティー観光だ。

セグウェイは簡単な研修で乗ることができる

 

歩道を走ってもあまり邪魔にならない

▽快適な留学生活

 パース在住の日本人によると①日本との時差が1時間②車が日本と同じ右ハンドルで左側通行③サービスに対し、チップが必要ない④銃がなく安全―などの理由で日本人観光客にとって訪れやすい点が多いという。

 観光だけでなく、日本からの留学生も増えている。東京都市大学(東京都世田谷区、三木千壽学長)は、パースにあるエディスコーワン大学、マードック大学と提携し、毎年200人以上の学生を送り込んでいる。

 2017年にエディスコーワン大に留学した都市生活学部4年の柴崎有里さん(22)は「東京のように人混みがなく、近くの公園にも動物や鳥などが見られ、自然を感じることができるのが魅力」と振り返った。18年に留学した環境学部3年の枝迫雄大さん(21)は「朝は鳥の声で目を覚ます。自然だけではなく、街には英国風の建物も多く、歴史も感じられた」と話し、東京での環境とまったく違う学生生活があったようだ。

留学先のキャンパスでクラスメートらと一緒に(左端が柴崎有里さん)

 

都市大生が企画したジャパンフェスティバルで餅つきをする実行委員長の枝迫雄大さん(右端)

▽フレンドリー

パース生まれでパースが大好きなジェイソンさん

 

 オーストラリア人はパースについてどう説明するのか。パース生まれの会社経営ジェイソン・ウッドソープさん(45)は「近くに自然が多く海も近い。シドニーに住んでいたこともあるけど、都会なのでみんな忙しそう。パースの人々はフレンドリーで生活はストレスが少ない」とパースの良さを強調。パースには観光だけではなく、生活する上でも「ちょうどいい心地よさ」があるようだ。

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