27件の事業承継をまとめ地域に貢献 北陸銀が4回目の「バンクオブザイヤー」

 地域経済の土台を長年支えてきた中小企業の後継者不足が顕在化している。地域経済と“運命共同体”の立場にある地方銀行は「事業承継問題」を地域経済の今後を左右する大きな課題の一つと捉え、事業承継の成否に向けた相談・支援態勢を強化してきた。

 このような事業承継問題の解決に取り組む地方銀行の心強いパートナーが、中堅・中小企業の合併・買収(M&A)仲介会社、日本M&Aセンター(東京)だ。同社は、M&Aの事業承継ノウハウを提供するほか、事業承継問題の解決に顕著な実績を残した地方銀行を顕彰する表彰制度「バンクオブザイヤー」を2013年に創設するなどして地方銀行の取り組みを後押ししている。

 東京都内のホテルで6月12日に開かれた第7回の「バンクオブザイヤー表彰式」では18年度中に優れた実績を残した地方銀行計12行が表彰された。6つの賞のうち、最優秀の実績を上げた地方銀行に贈る最高賞の「バンクオブザイヤー」には、受賞12行中最も多い27件の事業承継をまとめた北陸銀行(富山市)が選ばれた。同行の最高賞バンクオブザイヤーの受賞は今回で4回目となる。

 受賞後あいさつした北陸銀行の麦野英順・代表取締役会長は「われわれは、地域の企業の皆さまにとって、頼りになり、安心でき、いつでも相談できるベストパートナーでありたい。18年度は27件の事業承継を成功させ、5億円以上の収益が上がった。そのうち7割が日本M&Aセンターにサポートしていただいた案件」と話した。

 表彰式の冒頭にあいさつした日本M&Aセンターの三宅卓・代表取締役社長は「18年度は、地方銀行と協業して成約させた事業承継案件は140件。地方の企業を140社救うことができた。大きな成果だ」と強調。「さらに事業承継を進めるため、地方に根差した事業承継セミナーを開催するなど、今年を地方創生のための“地域戦略元年”にしたい」とさらなる事業拡大に意欲を示した。

地方銀行との提携強化を進める日本M&Aセンターの三宅卓・代表取締役社長。

 この日の表彰式には銀行員を4年間務めた経験がある、元地方創生担当大臣の石破茂衆議院議員も参加し「地方創生を語る」と題しておよそ1時間講演した。

地方経済のために地方銀行が果たすべき役割に言及した石破茂衆議院議員。

 石破氏は自ら熱心に取り組んだ「地方創生」について、いずれも地方を大切にした田中角栄元首相の「日本列島改造論」、大平正芳元首相の「田園都市国家構想」、竹下登元首相の「ふるさと創生論」の政策系譜に連なるものとした上で「今回の地方創生を失敗したら日本はつぶれる」と指摘。その上で「政府にできることは多々あるが“付加価値”はつくれない。日本を変えるのは都(みやこ)ではなく地方だ。権力者でなく民間の一人一人の庶民、大衆だ。中でも地域経済に精通した銀行員の役割は大きい」と語り、今後の地方創生に向けた地方銀行の取り組みに期待を示した。

「第7回バンクオブザイヤー」の受賞者ら。

 最高賞であるバンクオブザイヤー以外の受賞銀行は次の通り(バンクオブザイヤーは地域貢献大賞の中から選出)。

▽地域貢献大賞=岩手銀行、群馬銀行、北陸銀行、大垣共立銀行、滋賀銀行、阿波銀行、大分銀行

▽ディールオブザイヤー=肥後銀行、名古屋銀行

▽情報開発大賞=北洋銀行、北陸銀行

▽特別賞=北越銀行

▽事業承継・M&Aエキスパート協会賞=十六銀行

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