地域から日本をもっと元気に!! 全国の隠れた逸品が一堂に並ぶ「食の商談会」が開催

地域の中小零細事業者や住民、その地区で働く勤労者が組合員となって相互扶助の精神に基づき金融サービスを提供する信用組合。信用組合には、地域の住民や事業者で構成される「地域信用組合」、医者などの同業者で構成される「業域信用組合」、地方自治体などの職員で構成される「職域信用組合」がある。
信用組合は、取扱商品や業務内容は銀行とほとんど変わらないが、銀行は営利を目的とすることに対し、信用組合は非営利で組合員の相互扶助を目的とした金融機関。きめ細かいサービスを地元の小規模事業者や個人に向けて提供する、地域密着型の金融プロフェッショナル集団だ。

日本各地の信用組合と全国信用協同組合連合会、全国信用組合中央協会、東京都信用組合協会は11月6日、東京池袋のサンシャインシティで、地元の“食”を百貨店・スーパーや飲食店などに売り込むためのビジネスマッチング展「食の商談会」を開催した。商談会には、過去最多の138社が出展し、地域の特色を生かした食品、食材など全国各地の逸品がバイヤーや飲食店向けに紹介された。

逸品を探すバイヤーが会場に
逸品を探すバイヤーが会場に

■オリーブ栽培の北限 福島県いわきオリーブの挑戦
出展社のいわきオリーブ(福島県いわき市)は、2009年からオリーブ栽培の可能性を検討し、2010年に栽培の実証活動を開始。東日本大震災を乗り越えて、ボランティア協力のもと、2015年に同市で初となるオリーブオイルの搾油に成功。耕作放棄地などをオリーブ畑に転換し、現在では全65カ所、6500本のオリーブの木からおいしいオリーブが採れるまでになった。
オリーブ栽培のきっかけは、いわき沖で水揚げされる「メヒカリ」や「イワシ」を使った6次産業化の検討から始まった。アンチョビをヒントに、いわき産イワシのオリーブ漬けの商品化を検討する過程で、オリーブの栽培もできないかと考案。水産業の活性化と農業の耕作放棄地問題の解決を目指して、オリーブ栽培が始まったのだ。
同社の松﨑氏は「いわきで採れるオリーブのおいしさを知って欲しい。おいしいオリーブを使ったオイルや調味料、お茶などを売り込んでいきたい」と語った。
いわきオリーブでは、澄んだ緑色のオリーブオイル、オリーブの塩漬け、オリーブ葉を使ったソルト(カボス味、にんにく味、トウガラシ味)、オリーブ葉のお茶、オリーブ麺などを開発し、販売している。いわき信用組合も同社の活動を支える。

いわき産のオリーブで作られた商品が並ぶ

■長野県で養殖されるチョウザメ
世界三大珍味の一つで「黒いダイヤ」とも称されるキャビア。キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにし熟成させたもので、最近ではチョウザメの漁獲量が減っていることもあり、価格が高騰している。チョウザメは、かつて北海道の石狩川などを遡上していたといわれるが、現在は国内でその姿を見ることはできない。
ドリームウィングス社は山々に囲まれた長野県で、チョウザメの養殖に挑戦。豊かな水で育ったチョウザメの“身”を2017年に県内外で発売した。チョウザメの身を食べる機会は少ないが、実はサバやイワシなどの青魚と比べると良質のたんぱく質が豊富で、うまみ成分のグルタミン酸も多く含まれる。味は白身魚のように淡泊だが、口に入れると甘みとうまみがぐっと広がる。刺身や燻製、バター焼きなどがオススメという。同社の東久保代表は「チョウザメはキャビアのイメージが強いが、ぜひ身も食べてもらいたい。事業の立ち上げ前から長野県信用組合のサポートを受けることで、迅速に販売までこぎつけることができた。長野県のブランド魚として確立していきたい」と語った。養殖されたチョウザメは「古代 黒耀蝶鮫」「信州皇魚」の2つのブランドとして販売し、市場の拡大を狙う。

■幻のトマト「玉光デリシャス」で作る絶品のトマトジュース
宮城県のデリシャスファーム(株)は、トマトの“幻の種”と呼ばれる「玉光デリシャス」を栽培し、トマトとその加工食品を販売する。玉光デリシャスは栽培が難しく、手間がかかる。他の品種に比べて、作付面積における収穫量は1/7程度で、さらに収穫時期も限られる。しかしながら、幻のトマトと呼ばれる同品種は、糖度が高く酸味とのバランスが絶妙で、貴重なトマトを求める客は絶えない。
デリシャスファームは、玉光デリシャスを使ったトマトジュースや調味料などを開発。糖度10度以上のトマトのみを使用したトマトジュース「プレミアムデリシャストマト 丸しぼり」は爽やかな酸味とトマトの甘みが凝縮された贅沢な逸品だ。また、「デリシャストマト 露しずく」は透明なトマトジュースで、女性に人気という。
同社は高い栽培技術が必要なトマトの安定的な栽培や6次産業化により、魅力ある農業で地域貢献や後継者の育成を目指す。

玉光デリシャスで作ったトマトジュース

■地元の信用組合がしっかりサポート クラウドファンディング「MOTTAINAIもっと」
全国信用協同組合連合会と毎日新聞などが運営するクラウドファンディング「MOTTAINAIもっと」は独自の取り組みで高い達成率を誇るユニークな取り組みだ。クラウドファンディングはインターネットを利用した一般の人から資金を調達し、希望の調達資金が集まれば、発案者のアイデアによってその事業を進められる仕組みだ。
ただ、特に地方の中小零細企業が始めるには敷居が高い。クラウドファンディングの理解をはじめ、アイデアや事業計画の立案、それに伴う調達目標額の設定など、越えなければならならハードルがいくつもある。「MOTTAINAIもっと」の特徴は、これらのサポートを地元の信用組合が行ってくれること。地元で信用できる金融パートナーが、新しい商品やサービスの立ち上げに向けて、クラウドファンディングを利用した資金調達やマーケティングをサポートしてくれるのはとても心強い。
クラウドファンディング「MOTTAINAIもっと」は“購入型”を採用。サポーターが事業者に資金を提供すると、その返礼としてモノやサービスを受け取る。受け取るモノやサービスに魅力があれば、資金調達が進むため、事業を開始する前のマーケティングとして利用できることも特徴だ。
「MOTTAINAIもっと」を開始して約2年が経過するが、これまでの資金調達達成率は87.5%を誇る。地域から発信する新しいアイデアを地元の信用組合がしっかりサポートするため、高い達成率が維持できていると考えられる。

「MOTTAINAIもっと」サイト
https://mottainai-motto.jp/

「食の商談会」の出展社からは「全国の逸品が一堂に集まる商談会が、バイヤーが訪れやすい時期と場所で開催されるため、具体的な商談につながりやすい」という声が多く挙がった。事業者と地元の信用組合が協力して、商談会やインターネットで魅力を発信し、日本をもっともっと元気にしてもらいたい。

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