食・農・地域の「原点回帰」で100周年へ 農林中金の奥理事長が経営展望で強調

農林中央金庫(農林中金)の奥和登(おく・かずと)理事長(59)は10月18日、東京都千代田区の日本記者クラブで農林中金の現状や今後の展望について記者会見を行った。2023年に設立100周年を迎えることから「あらためて『食・農・地域』を高めていくために”原点回帰”で取り組んでいきたい」と決意を語った。

奥理事長は、農林中金が現在の「中期経営計画」で取り組んでいる「食農」「リテール」「投資」の三つのビジネスを説明。食農については東日本大震災の被災地・福島県で野菜の苗を生産するビジネスへの支援を紹介し、農家の生産性向上や雇用創出を期待できるとした。リテールや投資に関しては、地域金融への貢献に向けJAバンクの改革を進めていることや、リスク管理のため国際分散投資を進めていることを強調した。

奥理事長は次の中期経営計画の策定について、通常は3年計画となるが「100周年までの5年間の取り組みが”その先”を決める」と、数字が見通せる3年でなく「理念」を中心に構築する考えを示した。その柱として「デジタル化」を挙げた。人工知能(AI)による業務効率化、トレーディング業務の自動化、農家の資金繰りの管理といった改革を実行する考えを強調。JAバンクについては、現在約8000ある店舗網の再編成が必要との考えを示した上で「かつての産業界における日本興業銀行のような役割を、農業版として取り組みたい」とした。

政府との関係について質問が出されると、奥理事長は「直接話しているテーマはないが、『自己改革にしっかり取り組め』ということが与えられていると思う。農家のために一つ一つ積み重ねていく」と述べた。

奥氏は今年6月、9年ぶりのトップ交代として代表理事専務から理事長に就任。2代続けて生え抜きの理事長となった。

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